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SSBJ基準の適用開始、開示府令改正で確定 — 段階スケジュールと二段階開示が固まる

金融庁が内閣府令改正でSSBJ基準の有報開示適用を確定。時価総額区分の3段階と保証の開始時期を整理する。

2026年7月1日·読了 9分·編集部·開示・規制

要点

  • 金融庁は内閣府令改正により、東証プライム市場上場企業を対象にSSBJ基準に基づくサステナビリティ情報の有価証券報告書での開示適用開始を確定した。時価総額区分に応じ2027〜2029年3月期の3段階で強制適用となる。
  • 保証は限定的保証を導入し、開示義務化の翌年(2028〜2030年3月期)から、当初2年間はScope1・2排出量とガバナンス・リスク管理に範囲を限定して始まる。
  • 適用初年度等は訂正報告書による「二段階開示」が認められるため、対象企業は自社の適用年度を逆算し準備順序を組む必要がある。
要点 — 前提の整理
対象東証プライム市場上場企業(時価総額区分)
開示適用3兆円以上=2027年3月期/3兆円未満1兆円以上=2028年3月期/1兆円未満5,000億円以上=2029年3月期
保証開始開示義務化の翌年(2028/2029/2030年3月期)から限定的保証
経過措置適用初年度等は訂正報告書による二段階開示が可能

適用開始の法的根拠

金融庁は、企業内容等の開示に関する内閣府令等の改正により、SSBJ(サステナビリティ基準委員会)が策定した基準に基づくサステナビリティ情報の有価証券報告書(有報)における開示適用開始を定めた。改正は2026年に行われた。

日本の有報では既にサステナビリティ情報の記載欄自体は設けられており、任意のTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)ベースの気候関連情報を開示する企業も少なくなかった。今回固まったのはその先で、東証プライム市場上場企業のうち一定規模以上をSSBJ基準準拠に義務付ける点にある。すなわち、任意のTCFD等を含む既存開示から、SSBJ基準準拠の制度開示へ段階的に移ることが確定した。対象企業は、有報の記載事項としてSSBJ基準対応を前提に開示体制を構築する段階に入る。

時価総額別の段階スケジュール

適用開始は2026年4月1日以後に開始する事業年度からで、対象は東証プライム市場上場企業。過去5事業年度末の時価総額平均が3兆円以上の会社は2027年3月期、3兆円未満1兆円以上は2028年3月期、1兆円未満5,000億円以上は2029年3月期から強制適用とする方針が、2026年1月の金融審議会「サステナビリティ情報の開示と保証のあり方」ワーキング・グループ報告で示された。

判定は売上規模ではなく、対象市場(プライム)と時価総額区分で決まる。区分によって開始年度が2年以上異なるため、自社がどの区分に該当するかで準備期間の長さが大きく変わる。プライム上場企業の多くは、時価総額次第で2028年3月期または2029年3月期が最初の強制適用年度となる可能性があり、自社の過去5事業年度末の時価総額平均の把握が最初の実務ステップになる。

保証範囲・開始時期と二段階開示の経過措置

保証制度には限定的保証が導入される。保証義務化は開示基準の適用義務化の翌年から始まる方針で、3兆円以上の会社は2028年3月期、3兆円未満1兆円以上は2029年3月期、1兆円未満5,000億円以上は2030年3月期から保証が求められる。範囲は当初2年間、Scope1・2(自社排出・購入エネルギー由来排出)の排出量とガバナンス・リスク管理の項目に限定される。あわせて、適用初年度等では有報提出後に訂正報告書で開示する「二段階開示」が認められる。

開示義務化と保証義務化の間に1年の猶予を置き、さらに保証対象を絞ることで、初年度の実務負荷を段階的に引き上げる設計と読み取れる。保証契約は登録要件を満たす保証業務実施者との間で締結する想定であり、監査法人に限らず要件を満たす主体が登録し得る点に留意が要る。支援コンサルは、保証契約の当事者ではなく、データ収集・体制整備など準備段階の支援を担う立場として区別して捉える必要がある。

実務者が今すべきこと

  1. 自社の過去5事業年度末の時価総額平均を確認し、適用区分(2027/2028/2029年3月期)を特定する。
  2. 特定した開示適用年度、およびその翌年にあたる保証適用年度(2028/2029/2030年3月期)を逆算し、開示準備・保証対応のロードマップを作成する。
  3. 限定的保証の対象となるScope1・2排出量データの収集・検証体制を、保証適用年度に間に合うよう整備する。
  4. 登録要件を満たす保証業務実施者の選定と、準備支援を担う支援コンサルの役割分担を早期に整理する。
  5. 二段階開示(訂正報告書スキーム)の活用要否を、初年度の開示スケジュールと照らして検討する。

So What(実務含意)

プライム上場企業のサステナ担当者・支援コンサルは、時価総額区分から開示・保証それぞれの適用年度を逆算し、Scope1・2データ収集体制と保証業務実施者の選定を2027〜2030年3月期に向けて今から整備すべきである。

本サイトのコンテンツは「情報提供」を目的としたものであり、投資・法務・税務その他の専門的助言を提供するものではありません。規制・基準は改訂されます。意思決定の前に一次ソースと最新情報をご確認ください。

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